みんなしあわせ(小説完成)

※少しだけ良くない言葉も使っています。

 

透明な魔術を知っているかい?

みんなが幸せになる魔術だよ。

みんなが思い合える魔術だよ。

みんなができるようになる魔術だよ。

これからも幸せでいられますように、みんなの幸福を願う魔術。

これから一緒にその道を歩いて行こう。

 

 

第1章 よろこびのみちたせかいへ

 

これから喜びの満ちた世界へ行くよ。

きっとなんとかなる。

大丈夫さ。

 

素敵なゲームを思いついた。

その中ではどの方向を選んでも誰もが幸せになる。

そんな話を作ろうと思うんだ。

僕は、いつだってそんなことを夢見てきた。

まずは綺麗で美しく明るい言葉で自分を浄化する。

そしてポジティブな言葉を使えるようにするんだ。

敢えていい言葉を選ぶんだよ。

夢と希望の世界へ、そして、愛あふれる世界へ。

喜びあふれる楽しい世界へ出発だー。

 

 

「森野中(もりのなか)水樹(みずき)君、おはようございます」

僕のAI(エーアイ)(えーあい)(※人工知能)が、語りかけてくる。

AIに返事をする。

僕は今家族6人と暮らしている。

僕の家は、恵まれた家で、祖父、祖母、父、母、姉、そして僕の6人の暮らしはとても楽しい。

階段を降りると、そこには居間があって、家族が勢揃いしていた。

「おはよう、水樹」

家族の皆が僕に挨拶してくれた。

「ゲーム作りはどう、はかどってる?」

姉の花華(はなか)姉ちゃんが問いかけてきた。

「うん、まだ先は長いけどね」

「作り始めてからちょっとなんじゃろ? しかたないわな」

祖父の広貴(ひろたか)おじいちゃんが、声をかけてくれた。

祖母の舞喜(まいき)おばあちゃんの膝の上でくつろいでいる雌猫の貝殻(かいがら)が、にゃーんと鳴いた。

「お腹空いているでしょ。アミ塩辛の入ったキムチ食べなさい。身体にいいわよ」

母の希望(のぞみ)お母さんが、声をかけてきた。

それに応えるように、雄犬のラブがワンと鳴いた。

「今日は会議で帰りが少し遅くなるよ」

父の聖次(せいじ)お父さんが、希望(のぞみ)お母さんに声をかけた。

「分かりました。帰りに、駅前の果物屋で何か果物買ってきてくださる? ケーキを明日作ろうと思っているの」

希望(のぞみ)お母さんがそう聖次(せいじ)お父さんに頼んだ。

「ケーキ? 楽しみ」

花華(はなか)お姉ちゃんが笑って希望(のぞみ)お母さんに話しかけた。

「チーズケーキがいいな」

僕が言うと、希望(のぞみ)お母さんが、頭を振る。

「フルーツタルトよ。でも、美味しく作るから楽しみにしてね」

「フルーツタルトもいいね」

僕は笑って言った。

フルーツタルトは消化の早いもの(フルーツ)と消化の遅いもので作られているから、オリーブオイルをスプーンで一杯一緒に取ると体にいいんだよな。(フランク・ラポルト=アダムスキーさんの「腸がすべて」より)

今日の授業は、透明な魔術の方法だ。

僕は水の魔術を使うことができる。

魔術も、適性があって、人によって得意なものが違う。

その中でも、透明な魔術は、皆が使うことができるようになるらしい。

僕はまだ教わっている途中だから、まだ使えないけれど、いつか使えるようになると信じている。

そうすれば、ゲームも早くいい物が作れると思うんだ。

今日の授業が楽しみでならない。

食事を終え、「いってきまーす」と外に出る。

今は春。

暖かな春の日差しが気持ちいい

新緑の清々しさ。

咲き誇る花たち。

学校に通う途中の道で、友人の楽多(らくた)が声をかけてきた。

「今日はhappy(ハッピー)。信矢(しんや)」

happy(ハッピー)という言葉が、彼のマイブームらしい。

「やあ、楽多(らくた)。おまえは前から変わらないな」

僕は、楽多が友達として好きだ。

ちょっと楽観的で、ポジティブな楽多が。

「今日は、透明な魔術の授業だな。今日こそ、透明な魔術を使えるようになりたいぜ」

僕の言葉に、楽多は頷く。

「んだな。使えるようになったら、happy(ハッピー)だぜい。すぐに、使えるようになるけどな」

楽多のポジティブな言葉に励まされることが多い。

「昨日もゲーム作っててさ」

僕は、昨日の話をする。

「作っている最中に、心が和んでくるんだよな」

「そりゃすげーや。できたらおらにもやらせてくれよな」

「もちろん」

楽しい会話の最中に、専門学校の門が見えてきた。

僕らが通っているのは、魔術に特化した専門学校だ。

僕は今22歳で、楽多は25歳。

楽多は大学を終えた後、この専門学校に入学してきた。

楽多の仕事は作曲家だ。

人を幸せにする仕事をしている。

作曲家として、かなり有名で人気があり、僕としても友達になれたことが鼻が高い。

僕のゲームにも曲を提供してくれると言うので、嬉しい限りだ。

楽多の曲を聴くと、すごく気持ちがいいし、良い気分に浸れる。

そんな曲をゲームに使わせてもらえるなんて、最高だ。

あとは素敵なイラストを描く友達ができた。

ネットで知り合った友達で、見てると気分の良くなるイラストを描く人がいるけれど、ゲームに使わせて欲しいって、言ってみるかな。

勇気を出して言ってみようっと。

彼女の描くイラストを使ったゲーム。最高だもんな。

もちろんお金を支払うよ。

友達だからって、報酬は与えないとね。

そのために、仕事を探した。

ゲーム会社は自分で立ち上げるとして。日々の生活の糧は、コンビニかスーパーかデパートで仕事を稼ぐ。

「どうしたん?」

あ、考え事をしてて、無口になっていたみたいだ。そう告げると、楽多は笑った。

楽多の笑顔はとてもいい。

本気で楽しそうに笑っているのが分かる。

僕も笑い返す。

「透明な魔術って、いいよな。そういう魔術を考えた人がすげー」

楽多の言葉に、頷く。

「感謝しないとな」

Thank you very much.(どうもありがとうございます)って言うと、いいんだよな。

常に本人に言い続けなくても良いけどね。

基本神様や仏様に心の中で言うといいね。

でも、常に感謝しないでもいい。

仕事の最中や休んでるときかもしれないからね。

席に着くと、「おはよう」ってみんなが言ってきた。

「おはよう、今日もありがとうな」

みんなが嬉しそうに笑った。

この世界が好きだ。

幸せだし、楽しいし、素晴らしいと思う。

この世界に産まれてきて良かったと思う。

 

さあ、授業が始まる。

「今日は透明な魔術の方法を教えます」

先生が黒板にこう書いた。

1、「ありがとうございます。」と感謝の言葉を言ってください。

2、「瞑想をします。ゆっくり深く息を吐いてから、このときお腹をへこませて、鼻から息を吸って、このときお腹をふくらませて、自分の呼吸に意識を向けて、雑念が入っても、頭の中を空っぽにして、呼吸にだけ意識を向けるようにして下さい。」

3、「できるだけポジティブでいい言葉を発してください。」

4、「できるだけポジティブでいい言葉を聴いたり見たりしてください。」

5、「できるだけ綺麗で美しく優しい絵や写真や動画を見たり描いたり作ったりしてください。」

6、「できるだけ幸せな話を読んだり書いたりしてください。」

7、「『皆様の幸せを願います。』と、言ったり、書いたりして、あと、ネットに流して下さい。」

8、「個人的な望みは、たくさんの人が見たり聞いたりする場所に書かない、言わない、ようにして下さい。」

9、心の奥から「皆様の幸せ」を願ってください。

10、笑顔になってください。

etc……。

 

 

第2章 とうめいなまじゅつ

 

透明な魔術の授業時間を終えた。

だいぶ透明な魔術の仕方が分かってきた。

呼吸が大事だと言う。

息を吐いたあと鼻から息を吸う。

10秒くらい息を吐いて、5秒くらい息を鼻から吸って、5秒くらい止めてから、また繰り返し。

数回呼吸をして、「ありがとうございます。」と心の中で言ってみた。

透明な魔術の呪文。

「この世界を平和に、皆様を幸せに、明るく元気で楽しい喜びあふれる素晴らしい1日を誰もが皆過ごせますように」

なんか、透明な魔術が使えるようになってきたみたいだ。

家に帰る途中は寄り道をして散歩をする。

散歩はいい気晴らしになるし、運動不足も解消できる。

途中の道で花が咲いていた。

白くて菖蒲にも似ている、毅然とした花、シャガだ。

花屋で花を買っていこう。

少し歩くと、小さな花屋さんがあって、そこで1本花を買う。

黄色いチューリップ。

黄色が結構好きだ。

黄色は金運にもいいらしいし、ゲームがうまく作れるだろう。

まずはゲーム作りコンテストに出て一位を目指すぞ。

そのためには完成させなくちゃ。

コンテストが、冬だから、それまで毎日頑張るぞ。

家に帰って、ウェイトトレーニングをする。

運動しとくと、健康でいられるからだ。

健康には食事、運動、睡眠が大事なのだ。

頭が良くなるように食事では魚を多く出してもらっている。

さて、ゲーム作り再開だ。

時間が過ぎるのが早い。

目を休めるために、コンピューターを見続けないように、10分に1回視線を遠くに向けるようにしている。

考え事をするときなど、椅子から何回か立ち上がって動き回るようにしている。

2時間集中して、簡単なシナリオコースが1つ完成した。

    そこで夕飯の時間になった。

うちでの料理は希望(のぞみ)お母さんが作るけれど、片付けは子供達がやる。

今日の料理はトマトとモッツァレラチーズとツナのスパゲッティ。

トマトも消化が早いから他の消化の遅いものと一緒に食べるにはオリーブオイルをかけて食べるといい。(フランク・ラポルト=アダムスキーさんの「腸がすべて」より)

「いただきます」

オリーブオイルをかけて。

食べる前に「いただきます」と食べ物に感謝の意を告げると、食欲が増す。

僕にとっては欠かせないこと。

「美味しい!」

僕が舌鼓を打つ。

「食べたいって言ってたの、覚えててくれたのね。作ってくれてありがとう」

花華(はなか)お姉ちゃんが希望(のぞみ)お母さんに礼を言う。

「ほんに、美味しいねぇ」

舞喜(まいき)おばあちゃんが笑いながら言った。

聖次(せいじ)お父さんが帰ってきた。

「ただいま」

「お帰りなさ~い」

皆の声がハモる。

「フルーツ買ってきたよ」

「ありがとう、あなた。明日作りますね」

聖次お父さんの言葉に希望(のぞみ)お母さんが礼を言う。

「あなたの分も夕飯作るから待っててくださいね」

「ああ」

希望(のぞみ)お母さんはパタパタとキッチンに向かった。

聖次お父さんは服を着替えに自分の部屋に向かった。

僕はスパゲッティをよく噛んで食べる。

その方がお腹の吸収にいいらしいからだ。

「ごちそうさまでした~」

食べた後そう言って、ローズマリーティーを入れた。

ハーブのローズマリーは頭をよくするらしいのだ。

夕食後は、映画を観る。

ゲームのシナリオをレベル高くするように、参考に映画を観るのだ。

気に入った作品を何度も見るのが効果的とか。

僕が見てるのは「がんばれサッカー」という、サッカー選手のお話だ。

毎日練習に励み、どんどん上手くなっていく姿が、見てて気持ちいい。

僕も頑張ればゲームコンテストで優勝できるって期待が湧くんだ。

よし、頑張るぞ。

分岐が多すぎて、困ったな、これ。

分岐を減らすしかないか。

どうやって減らそう。

椅子から立ち上がってぐるぐる回る。

うーん、簡単じゃないなぁ。

 

 

第3章 こんくーる

 

そんなこんなで、コンクール当日。

朝まで徹夜したけれど、できなかった。

来年のコンクールまでには間に合わせなくちゃ。

何が行けないのかは分かっている。

分岐を増やしすぎて収拾がつかなくなってしまったんだ。

どの分岐に行ってもハッピーエンドにするには、分岐を減らさなくては。

でも、書いたどの方向の分岐も、消したくなくて。

悩んでいる途中で、学校を卒業することになった。

透明な魔術を、学び終わったからだ。

他にも習った魔術はあるけれど、僕が苦心したのは透明な魔術だった。

楽多はマスターしたらしく、作曲の中に魔術を練り込んで作っている。

楽多の曲を聴くと勇気が湧いてきて、癒されて、元気になる。

僕も魔術をマスターしたかったんだけど。

ネット友達にイラストを依頼して、OKをもらえた。

ゲーム養成講座に通ったほうがいいかもな。

今僕が必要なのはゲームを完成させる方法だから。

そこで、ゲームシナリオ作成講座というオンライン講座を習うことにした。

そこで親しくなったのは、道夫(みちお)。

彼は一本のシナリオで人を感動させる作品を作りたいらしい。

道夫とは気が合って、毎日のようにゲーム作りの進み具合を話したりゲームの方向性を話したり、話し合った。

そこで、僕の作品の成功していない部分に気付いて、修正を施したら、いい感じにできてきた。

ライバルがいるって、いいな。

コンクールの優勝は僕がもらうけどね。

そして、再びコンクールの季節がやってきた。

今度は完成させたので、参加できる。

それだけで、うまくいくとは、いかなかった。

他の出演者のゲームをやってみて、勝てる気がしなくなってきた。

どの作品も素敵で、かっこいい。

審査結果は1ヶ月後。

1ヶ月の間、身悶えしながら待って、審査結果の発表会場に向かった。

「どの作品も素晴らしくて、良かったのですけれど、透明な魔術を組み込んだ音楽を使っている、森野中水樹さんの作品が素敵でした。どのエピソードも良く練り込まれていて、ラストまで、駆け抜けてくれたと思います」

結果は、5位。

ちくしょー。

でも、認めてもらえたことに嬉しさを感じる。

道夫は3位で。

道夫と、コンテスト会場からの帰り道に、ファミレスに寄った。

「道夫、頑張ったな」

「うん、水樹もいいところまで行ったよ」

「1位のゲーム、作成者が150人位なんだよ。それだけ気合が入っていたんだな」

「実際やってみて、動画とか、ゲームシステムも細かいし、よくできてた」

「チームでやっている人には勝てないよな」

「そんな中、3位と5位は頑張ったと思うよ」

お互い褒め合って、少しだけど元気が出た。

「来年のコンテストには?」

道夫が聞いてきた。

「間に合うか分からないけど、頑張ってみようかな」

「それなら」

道夫は、少し迷っているような声で、「一緒にやらないか?」と言ってきた。

「いいね!」

僕は思わず、大声をだしてしまい、周りを見渡した。

ざわめきのあるファミリーレストランで、このくらいの声なら、気にされないのか、と思いながら、道夫に頷いた。

「一緒に作ろう」

コンテストまであと365日。

スケジュールと、シナリオの方向性を決めたんだ。

そして、仲間とゲームを作るのが楽しいことを知った。

お互いの意見を入れて、方向性を決めて、シナリオを書いていくことの楽しさを知った。

僕の作品はどんどんうまく良い方向に進んでいった。

どのコースもハッピーエンドで。

途中も楽しい嬉しい幸せなことが多くて。

そんな魔法のような話をゲームとして作れたのは、良かった。

そして、コンクールで、見事1位を取れたのだ。

「やったぁ!」

嬉しくて、道夫と楽多とイラストを描いてくれたネット友達とでオンライン飲み会をやった。

とても楽しくて、幸せな時間だった。

それからゲームを発売した。

ゲームは瞬く間に売れ、僕たちはお金に困らない程度のお金を得ることができた。

まだまだ、ゲームを作るぞと言う意欲が胸に沸き起こる。

僕たちのゲーム作りはさらに広がって、また仲間ができた。

仲間が増えるたび、いい作品ができて、楽しくて、幸せで。

乾杯の音が毎日響いた。

楽しくて幸せな毎日は続く。

ついでにイラストを描いてくれたネット友達と、恋人になった。

そして今では結婚した。

また次の作品を手がけている。

それもまた面白いように売れて、幸せいっぱいだ。

子供もできたし、夫婦仲も良好で、子供もいい子に育っている。

これからもいいことが続くに違いない。

そんな予感がしたんだ。

透明な魔術はいつの間にかマスターしていた。

 

透明な魔術、知ってるかい?

誰もが使えるようになる。

透明な魔術。

もしかしたらあなたも使えるようになるかもしれません。

そのために必要なのは、感謝の言葉やポジティブな言葉やいい言葉。

あなたも使ってみませんか?

自分だけでなく、みんなを幸せに。

できるはずです。

笑顔になってみんなが楽しく幸せになる魔術を、使ってみましょう。

fin

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください